相続人全員が相続放棄した場合、財産はどうなるのか?

相続人全員が相続放棄した場合、財産はどうなるのか?

2024.11.15

今回は、相続放棄で自分が放棄をした場合のその後についてご相談を受けたケースをもとに、もし相続人全員が相続放棄をした場合、その財産はどうなってしまうのかについて解説いたします。


1. 相続放棄とは?

相続放棄とは、亡くなった方(被相続人)の財産を一切引き継がないとする選択です。財産にはプラスの資産(預金、不動産など)もあれば、マイナスの資産(借金などの負債)もあります。相続放棄をすることで、これらすべてを受け継ぐ権利を放棄することができます。

  • 相続放棄をする理由として多いもの
    • 借金が多い:借金の額が大きく、負担が大きい場合
    • 他の相続人との関係:トラブルを避けたい場合
    • 維持費の負担:不動産などの管理や維持費が負担になる場合

2. 全員が相続放棄するとどうなるのか?

もし相続人全員が相続放棄をした場合、被相続人の財産(資産と負債)はどうなるのでしょうか?

  1. 次の順位の相続人に引き継がれる
    最初の相続人(配偶者や子供など)が相続放棄すると、次の相続順位(兄弟や姪・甥など)に権利が移ります。しかし、その順位の相続人もまた放棄を選択できるため、次の順位も放棄した場合はさらに次の順位へと移ります。
  2. 最終的には「相続財産管理人」が財産を整理する
    すべての相続人が放棄し、引き継ぐ人がいなくなった場合、最終的に家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任します。この管理人は、財産を清算し、負債を可能な限り返済するための手続きを行います。管理人の報酬なども財産の中から支払われるため、債権者(お金を貸している人)に返済する手続きが進められます。

3. 相続財産管理人の処理の内容

相続財産管理人は、相続放棄によって相続人がいなくなった財産を処理するため、以下のような具体的な手続きを行います。以下の手続きを終えた後に、財産が残っている場合は最終的に国庫に帰属します。

  1. 財産や負債の調査
  2. 債権者(借金の相手)への通知・公告
  3. 財産の換価(現金化)
  4. 債権者への弁済
  5. 残余財産の処分

4. 相続放棄で知っておきたいこと

  • 放棄しても影響がないとは限らない
    相続放棄をした場合、自分自身の負担は回避できますが、場合によっては次の順位の相続人に負担が移ることになります。親族の中で話し合い、適切な判断が求められます。

まとめ

相続人全員が相続放棄をした場合、その財産は誰も引き継がず、最終的には「相続財産管理人」によって処理されます。相続放棄は便利な選択肢ですが、相続人同士で話し合い、慎重に手続きを進めることが大切です。

もし相続の問題で悩んでいる場合は、専門家のアドバイスを受けることも検討してみましょう。広島相続遺言まちかど相談室では無料相談を行なっておりますのでお困りの際はご相談ください。

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