相続放棄をしても住宅ローンが残る?共有名義の不動産

相続放棄をしても住宅ローンが残る?共有名義の不動産

2024.12.04

相続放棄をすれば、故人の借金や住宅ローンを引き継がなくて済むと思いがちですが、共有名義の不動産が絡む場合、話は少し複雑になります。今回は、相続放棄と共有名義の不動産について解説します。


相続放棄をしても住宅ローンは残る?

1. 相続放棄とは?

相続放棄は、亡くなった方(被相続人)の財産も借金も一切引き継がない手続きです。家庭裁判所で正式に手続きを行うことで、相続人としての権利と義務を完全に放棄できます。

2. 住宅ローンがある場合の注意点

住宅ローンが残っている不動産がある場合、以下のようなケースで注意が必要です:

  • 共有名義の場合
    共有名義の不動産については、自分が相続放棄しても、残りの名義持分に基づく責任は消えません。
  • 連帯保証人の場合
    住宅ローンに連帯保証人として名前がある場合、相続放棄しても保証人としての責任は残ります。

共有名義の不動産のリスクとは?

不動産が共有名義の場合、特有のリスクがあります。

1. 住宅ローンの返済義務

共有名義の場合、故人が住宅ローンを支払っていたとしても、ローンの名義に自分の名前が入っているとその返済義務が発生する可能性があります。


  • ご主人が70%、奥様が30%の共有名義で住宅を購入していた場合、夫が亡くなり妻が相続放棄しても、自分の30%分の名義責任は残ります。

2. 不動産の売却が難しい場合も

共有名義の不動産は、他の共有者と協議しないと売却できません。相続放棄後でもローンが滞ると差し押さえの可能性があり、資産管理が複雑になります。

3. 他の相続人への影響

自分が相続放棄しても、他の相続人が相続を受け入れると、彼らが借金や不動産の管理を負担することになります。トラブルを避けるため、家族での話し合いが重要です。


具体的な対策と注意点

共有名義の不動産がある場合、以下のような対策を検討してください。

1. 生命保険を活用する

住宅ローンの多くには団体信用生命保険が付いています。被相続人が死亡した場合、この保険が適用されるとローン残高が完済されます。ただし、保険が適用されないケース(保険に未加入、特約の対象外など)もあるため、事前に確認しましょう。

2. 遺産分割協議を活用する

相続放棄以外の方法で問題を解決できる場合もあります。他の相続人と話し合い、共有名義の不動産をどう扱うかを合意しておくことが重要です。

3. 専門家に相談する

専門家に相談し、共有名義の不動産や住宅ローンについて適切なアドバイスを受けるのがおすすめです。複雑な状況を整理し、最善策を見つけていきましょう。

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