今日の民法

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2024.09.29

第898条【共同相続の効力】① 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。


遺産分割前の遺産の共有状態とは

遺産分割が行われる前の段階では、相続人が複数いる場合、相続財産はすべて相続人全員の共有状態にあります。これは、相続が開始された時点で、被相続人(亡くなった人)の財産が各相続人に自動的に分配されるわけではなく、すべての相続人が共同で財産を所有している状態になるということです。

この共有状態では、各相続人が遺産全体の一部に対して権利を持ってはいますが、個別具体的に特定の財産に対して自己の権利を主張することはできません。たとえば、複数の相続人がいる場合、相続財産である家や土地、預金などは「全員のもの」として扱われます。

ポイント:

  • 相続人の持ち分(各人がどれだけの権利を持つか)は、法定相続分や遺言書の内容によって決まります。
  • 相続人全員の合意がなければ、遺産持分の共有の状態のままでは個々の財産を自由に処分(売却や譲渡など)することはできません。
  • 遺産分割協議が行われ、相続人間で遺産をどのように分配するかが決まると、共有状態は解消され、各相続人が個別に財産を所有することになります。
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