親の介護をしていた子どもが相続で不利になるケースとは?

親の介護をしていた子どもが相続で不利になるケースとは?

2024.11.24

親の介護を長年にわたって献身的に行ったにもかかわらず、相続の際に不利な扱いを受けるケースが少なくありません。今回は、介護をしてきた子どもが相続で不利にならないためにできることについてお伝えします。


1. なぜ介護をした子どもが不利になるのか?

相続は法律で「法定相続分」が定められていますが、親の介護をしたかどうかはその分配には直接反映されません。
例えば、兄弟姉妹がいる場合、法定相続分は平等に分けられることが基本です。しかし、介護をしてきた子どもは、時間やお金を多く費やしていても、それが法定相続分に加味されないことが多いのです。

主な原因としては次のような点があります:

  • 親が遺言書を残していない
  • 兄弟姉妹間で認識が異なる(介護の大変さが十分に理解されていない)
  • 親の介護費用が記録されていない

2. 不利にならないための対処法

① 生前に遺言書を作成してもらう

遺言書は相続のトラブルを防ぐ最善の方法です。
親が生前に自筆証書遺言や公正証書遺言を作成し、「介護を担ってくれた子どもに多めに遺産を残す」という意思を明確にしておくことが重要です。


② 親と兄弟姉妹で話し合う場を設ける

家族全員で早い段階から話し合いを行いましょう。介護の負担や費用を共有し、家族全体で理解を深めることが大切です。話し合いを円滑に進めるため第三者に立ち会ってもらうのも効果的です。


③ 家庭裁判所で「寄与分」を主張する

相続の際に不公平だと感じた場合は「寄与分」を主張できます。「寄与分」とは、被相続人(親)の財産維持や増加に貢献したことに対する評価です。介護も寄与分として認められることがあり、認められれば多めの相続を受け取る可能性があります。


④ 介護記録を残す

介護にかかった費用や時間を明確にするため、日記や領収書などを記録しておきましょう。これにより、介護の具体的な貢献を示す証拠となり、寄与分を主張する際に有利に働きます。


⑤ 専門家に相談する

相続に関するトラブルを防ぐため、専門家に相談することをおすすめします。専門家は適切なアドバイスや手続きをサポートしてくれるため、安心して問題に対処できます。

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