相続財産管理人選任申立|相続人が存在しない
遺産相続において「相続人がいない」状態とは下記のようなケースが当てはまります。
- 相続人が全員亡くなっており、代襲相続等も発生しない
- 相続人全員が相続放棄をした
故人の財産は、本来であれば相続人が管理し、名義変更などを経て適切に承継されるものです。 しかし上記のように財産を管理する相続人がいない場合、そのままにしておくと故人の財産はいつまでも宙に浮いたままになってしまいます。
所有者のいない財産は最終的に国のものになりますが(民法239条2項、民法959条)、相続財産が放置されている場合、誰かが国庫に帰属させる手続きをしない限り、自然に財産が国のものになることもありません。
そこで、誰かに相続財産を適切に管理させて、必要な支払いや国庫に帰属させる仕事を行わせる必要があります。その仕事をするのが、相続財産管理人です。相続財産管理人は、相続人が存在せず、誰も相続財産を管理しない状態になったときに、自ら相続財産を管理して必要な支払いを行い、最終的に財産を国庫に帰属させる役割をします。
相続財産管理人の選任
条件:被相続人が遺産を残していて、相続手続きが必要 かつ、相続人が不在である
相続財産管理人の選任ができるのは、特別縁故者や債権者などの利害関係者と、検察官です。
被相続人の最後の住所地が広島の場合には、最後の住所地を管轄する広島家庭裁判所へ申し立てを行います。
申立書の他に被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本、相続人がいないことがわかる資料(法定相続人が死亡している場合はその者の出生から死亡までのすべての戸籍謄本)等が必要です。
相続財産管理人には、必要な資格がありません。被相続人との利害関係等を考慮して家庭裁判所が選任します。
相続財産管理人が選任されると、官報で公告されます。
相続財産管理人は様々な手続きを行う必要があるため、弁護士や司法書士といった専門家が選任されることもめずらしくありません。
特別縁故者による相続財産管理人選任の申立て
特別縁故者は、内縁の配偶者など、被相続人と特別な関係にあった人です。 特別縁故者は本来の相続人でないため、被相続人が遺言を残していない限りは遺産を受け取ることはできません。 しかし、被相続人の相続人がいない場合、相続財産管理人を申立てて最終的に家庭裁判所によって特別縁故者であることを認められると、被相続人の遺産を引き継ぐことができます。
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