ご相談解決事例

離婚した父の遺言書の検認

2024.09.04

離婚した父の遺言書の検認とは?

「離婚した父とは、離婚以来60年近く疎遠で会う事もなかったのですが、突然家庭裁判所から、父の遺言書の検認に関する郵便物が届きました。どういった対応をとったらよいのでしょうか。」というご相談からはじまりました。

自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所での検認の手続きをとります。検認は、遺言書の内容が正しく保管されているか確認する手続きとして重要な役割を果たします。検認は下記の流れで進行します。

検認手続きの流れ

一般的な検認手続きの流れをご説明します。

1. 遺言書が発見されたら

自筆の遺言書が見つかった場合、遺言書を勝手に開封してはいけません。自筆証書遺言や秘密証書遺言は、家庭裁判所で検認されるまで封を開けず、そのまま保管しておく必要があります。開封してしまうと、相続人間でのトラブルや、遺言書の効力が疑われる可能性があります。

2. 検認の申立て

遺言書を保管している相続人(たとえば、再婚相手など)は、家庭裁判所に対して検認の申立てを行います。申立ては、父の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。この際、他の相続人(相談者である前妻の子供や再婚相手の子供たち)にも検認の通知が送られます。

3. 検認の実施

検認当日、家庭裁判所で遺言書が開封され、その内容が確認されます。この場で、相続人全員に遺言書の内容が明らかにされ、遺言書の偽造や改ざんがないか確認します。検認が終わると、「検認済証明書」が発行され、これによって遺言書が正式な相続手続きに使えるようになります。

離婚した父の相続人

相続人の範囲

このケースでは、離婚した父の相続人は次の通りです。

  1. 再婚相手(現配偶者):法定相続分として一定の相続権を持ちます。
  2. 再婚相手の子供2人(父親の実子として):父親と法律上の親子関係にあるため、相続権があります。
  3. 前妻との子供である相談者:離婚後も父親と法律上の親子関係が続いているため、相続権を持ちます。

遺言書の内容によっては、再婚相手や再婚相手の子供が多くの遺産を受け取る場合もありますが、前妻の子供も遺留分として最低限の相続権を主張することが可能です。

遺留分の主張

遺言書が再婚相手やその子供たちに有利な内容だった場合には、相談者(前妻の子供)は、遺留分侵害額請求を行うことで最低限の遺産を確保することができます。遺留分とは、相続人が法律上保障されている最低限の相続分のことで、子供である相談者にはその権利があります。

遺言書の内容に不満がある場合

遺留分侵害額請求を行う

相談者は、父親の遺産の遺留分を請求する権利があります。この権利を行使することで、再婚相手やその子供たちから最低限の遺産を受け取ることができます。遺留分請求は、相続開始及び相続財産の内容を知った時から1年以内に行う必要があるため、早めの対応が求められます。

相談者にも相続権があるため、必要に応じて遺留分侵害額請求を行い、権利を守ることが大切です。複雑な相続問題に直面した際は、司法書士や弁護士の専門的なサポートを受けながら進めることが安心です。広島遺言相続まちかど相談室では、様々なご相談を承っております。相続や生前対策などでご心配ごとがある方は、是非無料相談をご活用ください。

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