相続お役立ち情報

遺留分を侵害されている場合

ここでは相続における「遺留分」についてご説明をしていきます。

遺留分とは

相続では遺言書があればその内容が優先されると民法によって規定されています。
しかし、遺言で「財産を全て知人に渡す」という内容や「財産を渡さない」などといった指定があると、その内容は著しく法定相続分を侵害する相続内容なので相続人にとっては納得がいかない場合もあります。そのような場合に、法律では法定相続人の権利を保障しており「遺留分」といいます。

遺留分権利者の対象者

遺留分を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している人に対してその侵害額を請求することを遺留分侵害額請求といいます。
遺留分侵害額請求をすることができる者は、法定相続人のうち、配偶者・子・父母・祖父母などになります。子の代襲相続人も請求権利者にあたります。兄弟姉妹には遺留分はありません。

遺留分割合

  • 直系尊属の方のみが相続人である場合は法定相続分の1/3
  • 相続人が子のみや配偶者のみ、配偶者と直系尊属の場合は法定相続分の1/2

遺留分侵害額請求の流れ

裁判外での交渉による解決

遺留分侵害額請求通知の送付後、まずは裁判外において、遺留分権利者と相手方との間で交渉をするのが通常の解決の流れとなります。
減殺請求の相手方が遺留分権利者の主張を認め、物件の返還や価額弁償などの解決方法についても協議がまとまった場合には、双方で解決に関する合意書を作成し、相手方がその履行をすることで事件は解決となります。

家事調停による解決

裁判外での交渉が上手くいかなかった場合は、裁判所の手続を利用して遺留分侵害額請求の問題解決を図ることになります。
遺留分に関する事件は、家事事件手続法において家事調停の対象とされる「家庭に関する事件」となります。このため、遺留分権利者は、遺留分侵害額請求訴訟を提起する前に、広島家庭裁判所等に対して調停を申し立てる必要があります。
遺留分権利者は、家庭裁判所に対し、遺留分減殺による物件返還請求調停の申立書を提出することによって調停を申し立て、裁判所の調停委員が当事者を仲介して協議を進め、事件解決のために必要な調整を行ってくれます。
その結果、話し合いがまとまれば、調停調書が作成され、これに基づく義務の履行受けることで、紛争の解決となります。

遺留分侵害額請求訴訟(裁判)による解決

家事調停が成立しなかった場合は、遺留分権利者が原告となり、遺留分侵害額請求の訴訟を提起し、裁判手続きでの解決を図ります。
訴訟の提起先は、被相続人の最後の住所地を管轄する地方裁判所(広島家庭裁判所等)となります。
遺留分侵害額請求訴訟では、原告と被告との間で事実に関する主張を交わし、互いの主張を証拠を提出して裁判官がこれを取り調べ、このような過程を経て、裁判所は判決という終局判断において事実を認定し、結論を導き出します。

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