不動産名義変更の主な手順
相続した不動産の名義変更の流れ
- 相続人調査
被相続人の出生~死亡までの戸籍謄本を収集し相続人の確定をします。被相続人の戸籍は改製などで複数に渡ることがほとんどです。 - 相続財産調査
相続財産となる不動産の調査をします。被相続人が所有している不動産の情報を市町村や法務局で確認・特定していきます。 - 遺産分割協議書
法定相続分以外の方法で相続財産を分割した場合は遺産分割協議書の作成が必要です。誰がどの財産(不動産)を相続するのか話し合ったら、相続人全員の署名と実印を押し、協議書を作成しましょう。 - 不動産の登記申請
不動産の名義変更に必要な書類が揃ったら、不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。申請はご自身で行うことも可能ですが、法務局へ出向く時間がない場合等はオンライン申請が可能な司法書士へ依頼する方法もあります。不動産が遠方な場合には特にお勧めです。 - 登記識別情報の取得
不動産の名義変更が完了したら法務局発行の「登記識別情報通知」を受け取ります。登記識別情報は従前の権利証と同等のもので、法改正により現在は権利証の発行はなくなりました。
司法書士へ依頼した場合には司法書士が代理で登記識別情報通知の受領を行いますので、司法書士から受け取る形となります。
不動産の名義変更に必要書類
基本的な必要書類は以下のとおりです。遺産分割の協議内容によって必要な書類は異なります。
法定相続人が一人の場合や法定相続分で相続をする場合
- 相続する不動産の固定資産評価証明書
- 被相続人の出生~死亡までの全ての戸籍謄本
- 法定相続人全員の現在の戸籍謄本
- 法定相続人全員の住民票
遺産分割協議によって決めた割合で相続をする場合
- 遺産分割協議書
- 相続する不動産の固定資産税評価証明書
- 被相続人の出生~死亡までの全ての戸籍謄本
- 法定相続人全員の現在の戸籍謄本
- 法定相続人全員の印鑑登録証明書(遺産分割協議書作成後3ヶ月以内のもの)
- 法定相続人全員の住民票
相続登記における登録免許税
相続登記の登録免許税は、「不動産の価額の0.4%」です。不動産の価額は下3桁を切り捨てて計算します。例えば、不動産の価額が111万1,111円であれば、111万1,000円として計算します。この場合の登録免許税の税額は、「111万1,000円×0.4%=4,444円」となりますが、税額の下2桁は切り捨てて計算します。そうすると、税額は4,400円ということになります。なお、このようにして計算した税額が1,000円未満(0円を含む)になった場合は、税額は1,000円になります。
課税標準となる「不動産の価額」は、市町村役場(東京23区は都税事務所)で管理している固定資産課税台帳の価格(固定資産税評価額)がある場合は、その価格です。市町村役場(または都税事務所)で証明書を発行しています。
固定資産課税台帳の価格がない場合は、登記官が認定した価額です。不動産を管轄する登記所(広島市内の場合は、広島法務局)にお問い合わせください。登記所の管轄については、法務局ウェブサイトの「管轄のご案内」ページから調べることができます。
なお、土地とその上の建物を相続した場合、土地と建物は別々に登記されるため、登録免許税もそれぞれに対してかかります。土地も建物も計算方法も違いはありません。一方、マンションについては、通常、区分建物(専有部分)の所有権と敷地権が一体となっています。マンションの所有者は、区分建物だけでなく、敷地の共有持分も所有しているのです。このような敷地権付き区分建物の登記にかかる登録免許税は、敷地権の持分に応じた価額と区分建物の価額を足し算した合計額に、税率(相続の場合は0.4%)を掛け算して計算します。
不動産の名義変更について、ご不明な点等がございましたら、広島相続遺言まちかど相談室までお問い合わせ下さい。